現在賃貸にお住まいの方で、結婚、出産、子供の進学などのタイミングでマイホームを検討されるご家族はとても多いです。近年は暮らしに多様性が見られるようになり、ずっと賃貸住まいを続ける方もいらっしゃるようです。賃貸と持ち家の大きな違いのひとつに「資産性」があります。今回は、これからマイホームを検討される方に向けて、持ち家の資産としての側面や、資産価値の決まり方について紹介します。ぜひご参考ください。
□持ち家の資産としての側面とは?
土地、戸建て、マンションなどの不動産は、いずれも資産になる可能性があります。これは、住宅ローンが残っている場合も同様です。なぜなら、住宅ローンが残っている状態であっても、住宅ローン残債より上回る金額で売れたり、賃貸で貸すことで収益となったりすることがあるからです。
持ち家が、本当に資産となるのかを考えるのに必要な、「一物五価」と呼ばれる必須知識があります。
・実勢価格
・公示価格
・基準地標準価格
・路線価
・固定資産税評価額
これらは、土地の値段を決める際に用いられるものです。
実勢価格とは、実際に土地の売買が行われる価格です。
物件を取り扱っている場所で見る価格は、これに該当します。
公示価格とは、毎年1月1日を基準日として、3月に発表される土地売買の目安の価格です。
基準地標準価格とは、公示価格を補う目的のものです。
これは、毎年7月1日を基準日として、9月に発表される土地売買の目安となる金額です。
路線価とは、相続税・贈与税の基準になる価格です。
これは、毎年1月1日を基準日として、7月に公表されるものです。
毎年変わるものですが、大抵は公示価格の80パーセント相当になります。
固定資産税評価額とは、固定資産税の基準になる価格です。
これは3年に1度に評価が変わります。
3年に1度変わるものですが、大抵は公示価格の70パーセント相当になります。
これらを踏まえて、持ち家が資産になるかを考える必要があります。
以下の事例で、考えてみましょう。
・購入から30年経過している
・購入時に土地と家が3000万円
・住宅ローンが残り2000万円
・販売価格は2200万円
この場合は、販売価格から住宅ローンの残りを引いたときに200万円となるので、資産価値は200万円だということが分かります。一方、販売価格が住宅ローンの残債以下の価格となった場合は、売却しても資産が残らないので資産性はなくなります。
□持ち家のリスクとしての側面とは?
これまでは、持ち家が資産となる場合を説明しましたが、一方でリスクとなる可能性もあります。
ここでは、持ち家のリスクとしての側面を紹介します。
なぜリスクとなる可能性があるのかについて、その要因は主に以下の4つです。
・物件・土地の価値変動
・住環境の変化
・施設の劣化
・金利変動
*物件の価値変動
一部の例外を除いて、家の価値は下がっていくものです。これは、どんなに丁寧に綺麗に使っていても、一度そこの家に住んだ時点で、価値は下がっていきます。そのため、物件を販売する際に、戸建て住宅が新築よりも高い価格で売れる可能性はほぼ0です。
また、物件の価値だけでなく土地の価値も、立地次第では上がることはありません。主要沿線の駅近や大型ショッピングモードすぐなど、よっぽど良い立地を選ばない限りは、土地の価値が上がることは期待しないほうが良いでしょう。
*住環境の変化
年月が経つと、家の周りの環境は変わっていきます。皆さんも経験したことがあるかもしれませんが、家を建てたときには近くにお店がたくさん並んでいて賑わっていたとしても、数10年後に同じ状況かは分かりません。近くに大きな建物が立って、日当たりや風通しに影響が出る可能性もゼロではありません。
*建物の劣化
ここで説明する建物の劣化とは、内装や外観の綺麗さではありません。クオリティや今当たり前にあるとされているものがないということです。例えば、キッチンの食器洗浄機、リビングの床暖房、浴室の乾燥機などは最近の物件ではついているものが多いですが、10年後20年後になると今よりももっと質の高い設備が主流となり、いま人気の設備も古い劣るものとなってしまいます。
また、新築時には十分だった耐震性や耐久性も、数十年後に売却しようとしたときには、すでにレベルの低い性能として取り扱われている可能性もゼロではありません。実際、1981年には建築基準法が改正されて耐震基準が大きく変わりました。加えて、雨漏りやシロアリなどの被害により建物の耐震性・耐久性などが劣化している場合は、さらに価値が下がってしまいます。
*金利変動
金利変動は、人生設計に大きく関わってくるものです。
住宅ローンを組んだ当時に想定した金利よりも上がってしまったり、その当時は良いとされていた金利が今では高すぎるという事態になっている場合もあります。そのことを考えると、金利変動は将来の自分の資産に大きく影響してくる項目であると言えるでしょう。2022年現在は、住宅ローン金利が史上最低基準と言われるほどに設定されており、住宅購入を希望する人が多い状態です。一方、今後金利が上がれば月々の返済額が大きくなってしまうため、住宅購入をしぶる方が増えてくることが予測されます。
□資産価値が高くなりやすい家と低くなりやすい家の特徴を紹介!
持ち家の資産的側面とリスク的側面について紹介しましたが、それでは一体、資産価値が高くなりやすい家はどのような家なのでしょうか。また、資産価値が低くなりやすい家とはどのような家なのでしょうか。
*資産価値が高い家
これまでに紹介したものも踏まえて、資産価値に関わるものを挙げていきます。
・物件
・立地
・住環境
・施設
これらの4つが主に関わるものです。そして、この中で最も優先順位の高いものは、「立地」です。なぜなら、先ほども紹介した通り、物件や住環境は変わってしまう可能性が高いからです。しかし、変わりにくいものとして、駅やバスの停車する場所などがあります。これらのような交通の便が良いところは、資産価値が高い家といえるでしょう。
その次に優先順位が高いものは、生活に必要なものが揃っている施設があるかについてです。先ほどから紹介している通り、住環境は変わっていくことがほとんどです。しかし、学校や病院、銀行などの施設は移転などの変化が比較的少ないと言えます。これらの施設の近くに家を建てることで、利便性を長期的に維持できて資産価値は残りやすいと考えられます。
*資産価値が低い家
資産価値が低い家は、資産価値の高い家とは逆のことが挙げられるので、交通の便が悪かったり、周りがあまり充実していなかったりする場所は資産価値が低いです。例えば、電車やバスなどの公共交通機関を利用するために15分以上歩かなければならなかったり、最寄りの小学校が徒歩30分だったりすると、どうしても生活が不便になるため買い手が見つからない可能性が高まります。
□まとめ
この記事が、持ち家の資産価値について悩んでいる方の参考になれば幸いです。当社は、宇都宮市・栃木市・小山市周辺で施工を承っております。資産価値を残すための家づくりについてもアドバイスさせていただきます。オンライン相談やセミナーを定期的に開いているので、ご興味がありましたらぜひご参加ください。