みなさんは、平屋に住む際に気をつけるべきポイントが何かをご存知でしょうか。平屋は単純そうに見えてとても複雑で、1つ1つ丁寧に設計しないと、住み始めてから後悔することになりかねません。そのようなことを防ぐために、この記事では、快適な平屋に住むためのポイントをご紹介します。後悔しがちなポイントとその対策方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
□平屋で後悔するポイントとその対策
*水害があった場合のリスク
平屋は、ワンフロアのため、水害にあった場合に緊急避難先として2階が存在せず、2階建てよりも生命が危機に晒されるリスクが高いようです。また、近年、集中豪雨の影響で水害も増加し、河川の氾濫による水没には構造的に弱いことをよく確認した上で万全な土地選びをしましょう。
家を建てる前のハザードマップの確認は必須です。
*家の中心付近が暗い
平屋は、採光に失敗して後悔するパターンを非常によく見かけます。ワンフロアの面積が広いため、中央付近が暗くなるリスクが高いです。暗い平屋を回避する方法は長方形に近い形にしたり、中庭を設けることによって光や風も取り込めるので、防犯性を高めつつ、安心快適に暮らせます。
空き巣などの住居への侵入被害を防止するには、窓の対策が最も重要ということです。高層用窓は高い位置にあるため侵入されるリスクが低く、開けっぱなしでも安心で平屋の換気用窓としても最適です。防犯フィルムを貼り付けたり、補助錠を取り付けたり、家を不在にする場合は雨戸を閉める等、防犯面の対策をするためにたくさんのアイデアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
*トイレの音が気になる
トイレの音というのは家族同士でも気になりますよね。トイレは音の問題だけでなく、臭いの問題もあるので、トイレの場所選びは慎重に検討しましょう。トイレだけでなく各個人の個室がリビングと接している場合は、音の問題と、プライバシーの問題が起こることがあります。
*家事動線を考慮しない間取りにしてしまった
家事は毎日するからこそ家事動線をよく考え、理想の間取りを手に入れ、家族みんなが暮らしやすい生活動線を作ることが重要です。家事動線は無駄な動きを減らし、いかにスムーズな動線で動けるかがポイントです。
炊事、洗濯、掃除など家事に費やしている時間は膨大です。そこでちょっとした工夫を取り入れることで家事を効率的に行い、同時に快適な暮らしを手に入れましょう。家事の中でもっとも長い時間をキッチンで過ごすことからキッチンを中心とした水回りのレイアウトを考えていきましょう。バスルームやトイレなどの水回りを1つに集約することで、配管コストを抑制できるだけでなく、家事動線を短くできるというメリットがあります。
平屋は2階がない分、収納が少ないイメージがありますが、屋根下にあたる小屋裏を有効活用できるなどあります。収納部分が不要な人は天井を高く設計し、スキップフロアを作ってみる、または、室内の開放感を高めるなど、思い思いの間取りを選べます。
買い物から帰ってきて、買ったものを駐車場からキッチンまで運ぶことは一苦労ですよね。そこで駐車場から玄関を抜けてキッチンに行くまでの動線に、購入品をストックしておけるパントリーを設けるのも1つのアイデアです。
リビングや個室を広く取りすぎて収納スペースが少なくなってしまったと言った問題点も、パントリーがあれば解決できます。キッチンに隣接したパントリーならリビングやダイニングの物もしまえて、ストック品の確認が簡単なうえ、キッチンをキレイに保てます。全ての物の定位置を決めてしまえば、家事動線が複雑にならず、忙しい時間でも気持ちに余裕を持てるはずです。
□平屋特有のメリットについて
平屋の最大の魅力は暮らしやすさではないでしょうか。平屋はワンフロアで全て完結するため、家族のコミュニケーションが取りやすいという所があります。平屋はどこにいても家族の気配を感じることができ、子供やお年寄りに目が届きやすいので安心です。本当の意味でフラットなバリアフリー空間が実現します。
例えば2階建ての場合、上の階に行くためには階段を上がらないといけません。これは年をとって足腰が弱くなれば困難になっていきます。たとえ今若くても、マンションでワンフロア生活に慣れていれば、かなりの負担です。平屋のように上り下りがなければ、家事や日常生活での体への負担は軽減され、時間短縮という恩恵もあるでしょう。
□平屋で後悔しないためには
プライバシー確保の問題点や、もっと収納が欲しいと思うものです。最近はミニマムな暮らしや、断捨離が流行っているようです。段ボールに入った状態の物を何年も放置してあれば、それはあなたにとって必要のない物かもしれません。せっかくの平屋生活であっても、物で溢れていては本末転倒です。快適な暮らしをするために、思い切って処分し整理整頓を心がけ、すっきりした平屋生活を満喫してください。そのスペースが空くことによって、趣味のスペースができたり、また、違った景色が見えるかもしれません。
□土地選びが重要な理由
平屋にとって土地の形は家の特性を決める決定的な要素になりやすいです。四角形でない土地や、旗竿地と呼ばれる路地奥の土地、傾斜地などは、好立地で価格が安くなる傾向にあります。程よい広さで階段の上り下りがなく、住宅が密集し周囲からの視線が気になる都市部であっても、ロの字型やコの字型にして、中庭を作るなどの工夫で回避できます。
どの部屋も中庭との繋がりが楽しめ、光と風を取り込み、プライバシーを確保するための間取りと、平屋ならではの暮らしを楽しめます。また、土地は1つとして同じものはなく、場所や価格、建築的な側面からプロの意見を聞きながら、選んでいくことが重要なのです。
□間取りの工夫について
平屋の場合、周辺環境によっては、外部からの視線が気になってしまう恐れがあります。そのようなことを防ぐための対策とはなんでしょうか。上記でもお伝えした通り、ロの字型やコの字型にして中庭を設けると、窓が中庭に向いて作られるので、プライバシーの保護に繋がります。
そして、外からの視線を遮断するための袖壁を設けると、視線対策になります。袖壁の場合、風を遮ってしまうことがあるので、地域の風の性質を考えて設けることがおすすめです。植栽は夏の直射日光を遮蔽する働きの他に、外部からの視線を遮るという役割も果たしています。
ただ、外部からの視線が届かないと言うことは、メリットだけでなく、防犯性が低下すると言うデメリットにも繋がります。そのため、人感センサー付きライトをつけることや、踏むと音が鳴る砂利を撒くなど、別の方法でも同時に対策しましょう。
□まとめ
ここでは、平屋で後悔しがちなポイントや快適な平屋に住むためのポイントをご紹介しました。
後悔しがちなポイントについては、対策をしっかりとりさえすればあまり不安な部分ではありません。平屋は子育ての時期からお年寄りになるまで、暮らしやすさが持続する家です。ただ、その平屋の良さを生かすためには、それなりの対策を講じなければなりません。どんな家でも、実際に生活してみなければ気づけないこともあります。平屋を建てる際に後悔しないために、自分たちの求めている快適な暮らしとは何か、自分たちの暮らしに合っているかどうかをよく検討しましょう。