ご両親の老後が心配で、将来二世帯住宅で暮らすことを検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、歳を重ねたご両親が安心、安全に暮らしていけるようにするためにバリアフリーの平屋を考えているものの、平屋で二世帯で暮らしていくイメージが湧いていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、そのような方達に向けて二世帯で暮らす際の間取り、平屋ならではの間取りをご紹介し、二世帯住宅の平屋の具体的なイメージを持っていただきます。
□二世帯住宅の種類をご紹介
二世帯住宅の種類としては以下のようなものが代表的です。
*1. 完全同居型
完全同居型とは、二世帯がほぼ同じ空間で生活をするような住居のことです。玄関やキッチン、お風呂やトイレなどの生活空間を二世帯で共有するため、それらの設備を二つ作る必要がなく、建物の面積や費用を抑えられます。
一方で、二世帯間で共有する部分が多いため、それぞれのプライバシーを確保できません。完全同居型は、お互いの世帯のコミュニケーションが取れ、家事や育児を協力してもらえますが、プライベートが確保できないことで問題が起こる場合もあります。
*2. 部分共有型
部分共有型とは、両世帯が住宅の一部を共有するような住宅です。キッチンを共同で使って、一緒に食事をしたり、寝室は分けてLDKを共有したりといった場合があります。完全同居型に比べて、各世帯が共有する空間と分離する空間が分かれているため、プライバシーを守った上で生活できます。
*3. 完全分離型
完全分離型とは、両世帯の生活する空間を完全に分離した住居のことです。世帯同士で共有する部分が無いので、同じ住居の中に住んでいても、お互いの生活に干渉することがなく完全にプライベートを守れます。
しかし、住宅の中で全ての設備が二つ必要になるため、建設費用が高くなるというデメリットもあります。
□平屋でも二世帯住宅は可能なのか?
二世帯で暮らす場合、多くの方は2階建ての完全分離型の住居をイメージされると思います。この場合には、各階に世帯を分けて暮らせるため、完全にプライバシーを確保できます。
一方平屋でも、二世帯住宅で適度なプライベートを守った設計にすることは可能です。2階建て以上とは異なり、各階で二世帯を分けるといった縦のスペースの活用が難しくなるため、平屋で「完全分離型」にする際には、広い土地の確保が必須です。
その反面、共有スペースをもつ「部分共有型」や「完全同居型」の二世帯住宅を目指す場合には、「完全分離型」を目指す場合よりも容易に平屋を作れます。各世帯で共有空間を持てるので、設備の数を増やす必要がなくなり、広い土地を確保する必要がなくなるからです。また、共用スペースが増えることで、建設費を軽減することもできます。
□平屋の二世帯住宅はどの種類にする?
*完全同居型、部分共有型がおすすめ
平屋の住宅としておすすめなのは、「完全同居型」や「部分共有型」などの共有スペースを持った二世帯住宅です。
平屋だと、平面的な広がりによって開放感があるため、共有スペースを持った住宅の構造でも狭さを感じることも少なく、両世帯が十分な距離感を保って生活できます。そのため一般的な住宅に比べて共有スペースを持っていてもプライベートを保って両世帯が生活できます。また、共有スペースを持つことで、広い土地を持つ必要がなくなり、設備を2つ作る必要がなくなるため建築費を抑えられます。
*広い土地を確保できるなら完全分離型がおすすめ
設備と非常に広い土地が必要となるため、「完全分離型」は完全同居型や部分共有型に比べて費用が高くなってしまいます。しかし、プライバシーを完全に確保しながら、両世帯が協力できる完全分離型は非常に暮らしやすい住宅です。十分に広い土地と建築費用を確保できる方には、完全分離型をおすすめします。
平屋の左右で世帯を分けることで、各世帯が生活音を気にすることなく生活できます。
*別棟型という選択肢
プライバシーを完全に確保した上で、最も間取りを容易に考えることができるのが別棟型です。2棟平屋を建て、それぞれの住宅をつなぐことで行き来が容易な住宅を作ることが可能です。
□平屋の二世帯住宅の注意点
平屋での二世帯住宅を作る際に注意しなければならないこととして以下のようなことが挙げられます。
*1. 両世帯で話し合う
平屋の二世帯住宅を建てる際に注意することとして、最も大事なことは両世帯で十分に話し合ってから平屋の設計を行うことです。話し合いが十分でないと、二世帯住宅を建てたものの、両世帯が不満を持って生活してくことになります。
暮らしやすいような住宅を目指すため、両世帯のライフスタイルを見直し、二世帯住宅の種類をどうするのか、どのような間取り、レイアウトにするのかを話し合って決めるようにしましょう。
*2. 大雨が降った場合を考えて土地を選ぶ
ハザードマップを用いて調べ、海抜の低い土地や河川の氾濫の可能性のある土地に平屋を建てるのは避けましょう。平屋は一階だけの住宅であるため、大雨などによる洪水で1階が浸水した場合、避難できないこともあり得ます。
*3. 防犯対策をする
平屋の二世帯住宅になると、窓の数が増えるため、防犯対策を十分に行なっておきましょう。強盗や空き巣などに侵入される場合には、窓ガラスから侵入される場合がほとんどです。窓を高い位置につける、壊されにくい窓を使うなどといった防犯対策を十分に行いましょう。
□平屋の二世帯住宅の間取りアイデア
平屋の二世帯住宅の間取りのアイデアをご紹介していきます。完全分離型、完全同居型、部分共有型のどのパターンでも以下のようなことに注意して設計を行いましょう。
・各世帯が洗濯物を干せるスペースを確保する
・窓や部屋の位置を工夫することで、各世帯のプライベート空間が見えないようにする
・各世帯のプライベートスペースを隣接させない
以下では共有型と分離型に分けて、間取りアイデアをご紹介していきます。
*共有型の間取りアイデア
共有型の間取りのアイデアとして代表的なものは以下のような場合です。
・洗面所・脱衣所を分ける
・複数人で使えるようキッチンは広い面積を確保
・多くの人数の靴を収納できるように玄関には広いシューズクローゼットを確保
・介護が必要になったときのために、廊下・お風呂・トイレを広めに確保
*分離型の間取りのアイデア
分離型では基本的な設備は全て異なるため、間取りのアイデアとしてはどのように両世帯の生活空間を分離をするかについてご紹介します。
・ドアを用いて区切る
・テラスや中庭を用いて区切る
・廊下を用いて区切る
*間取りを考える上での注意点
平屋の二世帯住宅は床面積が大きくなるため、外壁に接していない部屋や収納スペースが多くなる傾向にあります。そのため、採光・通風が確保しにくく、内装材の劣化が早まってしまいます。家中に採光・通風できるかどうかをチェックした上で設計を行いましょう。
平屋で二世帯住宅での間取りを整えるのは、各ご家庭、各世帯間でライフスタイルが異なるため、非常に難しい作業です。必ず、住宅会社に要望を伝え相談しながら間取りを設計するようにしましょう。
□まとめ
本記事では、ご両親の老後が心配で、将来二世帯住宅で暮らすことを検討されている方、平屋で二世帯で暮らしていくイメージが具体的に湧いていないという方に向けて、二世帯の平屋の種類や間取りのアイデアなどをご紹介しました。
平屋での二世帯住宅を実現するためには、完全分離型、部分共有型、完全同居型の特徴を理解し、各世帯間で話し合った上で、どの種類にするのか、どのような間取りにするのかを決めるようにしましょう。
当社では二世帯住宅に対応した平屋を提供しております。
平屋をご検討の方はぜひご相談ください。