住宅の間取りは、生活のしやすさや快適さ、ご家族とのコミュニケーションのしやすさなど多くの要素に影響を与えます。そのため、住宅の間取りを決める際は、あらゆる選択肢を視野に入れて、生活スタイルをイメージすることが大切です。例えば、スキップフロアを取り入れることで、生活の快適さや住宅内の雰囲気などは大きく変わります。
今回は、スキップフロアでありがちな後悔と対策方法、スキップフロアを取り入れるメリットとデメリットについてご紹介します。
□スキップフロアとは?
スキップフロアとは、フロアの高さを半階層ずらして中階層を作るものを指します。言い換えると、スキップフロアは1.5階や0.5階のような位置づけです。スキップフロアは小上がりとも呼ばれており、あえてちょっとした段差を設けることで、それぞれの空間に独立性を持たせられます。また、一般的な戸建て住宅では、そこまで主流なものではないため、スキップフロアを設けるだけで簡単に個性を出せます。
□スキップフロアのメリットとは?
スキップフロアを設置するメリットを5つ以下でご紹介します。
*1. 収納面積を増やせること
収納面積を増やすために、一階建てではなく、二階建て、三階建ての住宅を建築する方がいらっしゃいます。ただ、注意点として、建築基準法によって、三階建て住宅を建てられないケースがあることが挙げられます。
そのような場合、一階建て住宅や二階建てで収納面積を増やす必要があり、そこでスキップフロアが活躍します。スキップフロアを設けることで、床下や階段下の収納スペースが生まれるため、そのようなスペースを収納スペースとして活用できます。
*2. 傾斜地を有効活用できること
本来であれば、傾斜地に住宅を建築することは難しいため、擁壁や造成工事のために多大な費用がかかることが多いです。
しかし、スキップフロアを取り入れることで、傾斜地でも家を建てられる場合があります。
そのため、本来かかる多大な費用を抑えられることもスキップフロアを取り入れることのメリットと言えるでしょう。
*3. 視線のレベル差で空間を分けられること
空間と空間の間に視線のレベル差を生むことで、それぞれの空間に独立性を持たせられます。本来であれば、空間と空間の間に仕切り壁を設けることで、独立性を持たせることが一般的ですが、わずかの段差を活用するだけで簡単に空間を分けられます。
*4. 個性的な雰囲気を演出できること
上記でもご紹介した通り、スキップフロアは一般的な戸建て住宅に採用されることはあまり多くありません。そのため、スキップフロアを採用するだけで周りの住宅との差別化を簡単に図れます。
*5. 固定資産税が安くなる場合があること
床面積を増やすために三階建て住宅を建築する場合がありますが、固定資産税が高くなってしまうことがあります。
一方で、同等の床面積を確保するためにスキップフロアを活用することで、固定資産税を抑えられることがあります。ただ、自治体のルールによって固定資産税が安くなるかどうかは変わるため、ご自身で自治体のルールを調べるか、税理士に相談されることをおすすめします。
□スキップフロアのデメリットも知っておこう!
スキップフロアを設置するデメリットを以下で4つご紹介します。
*1. 空調効率が悪くなること
スキップフロアを設置することで、仕切り壁を設置する必要性がないため、壁の数は少なくなる傾向にあります。つまり、スキップフロアのある住宅は、家全体を大きなワンルームのような空間として捉えられます。そのため、ピンポイントで一か所だけ、一部屋だけエアコンを使用することが難しいため、空調効率がどうしても下がってしまいます。
*2. 音やニオイが漏れやすいこと
こちらのデメリットも、上記同様に、壁の少なさが原因で生じてしまうものです。そのため、プライバシーの確保が難しかったり、キッチンのニオイが広がってしまって作業に集中できなかったりなどの問題につながる可能性があります。
*3. 建築費がかかること
一般的な住宅に比べて、スキップフロアは設計の難易度が高いため、その分費用が高くなってしまいます。また、床面積が増える分、固定資産税がかかる場合もあるため、注意が必要です。
*4. 上り下りが負担になる場合があること
スキップフロアの段差を活かすことで、多くのメリットや魅力につながる一方で、その段差が負担につながることも把握しておかなければなりません。例えば、ご家族にお子様や高齢者の方がいらっしゃる場合は、上り下りの負担を考慮しておくことが必要です。
□スキップフロアでありがちな後悔と対策をご紹介!
スキップフロアを設置することでありがちな後悔と対策についてご紹介します。
1つ目の事例は、冷暖房の効率が下がることです。
スキップフロアを設置すると、壁の数が少なくなる傾向にあるため、冷暖房の効率が下がってしまいます。対策として、断熱性、気密性を上げることがおすすめです。具体的には、断熱材を取り入れることや、断熱塗料を使用することが効果的な方法として挙げられます。
2つ目は、プライバシーが保護されない場合があることです。
スキップフロアを設置することで、開放感が生まれる一方で、プライバシーが保護されないと感じる場合があります。そのため、集中して作業に取り掛かりたい場合や、勉強をしたい場合は、スキップフロアを設置する目的を再度考えることや、壁やドアを設置して個室を作ることがおすすめです。
3つ目は、バリアフリーに対応しづらいことです。
スキップフロアの段差は魅力の一つではありますが、老後の生活を視野に入れることも大切です。老後の生活において、その段差は負担にならないか、また、負担にならないような段差にしておく必要はないか事前に考えておくと良いでしょう。
□スキップフロアの間取りの実例をご紹介!
スキップフロアを活用した間取りの実例についてご紹介しますので、是非スキップフロアの活用方法をイメージしてみてください。
1つ目の事例は、スキップフロアをお子様の遊び場として活用している事例です。
スキップフロアを設置したことで生まれたスペースをお子様の遊び場として活用することはおすすめです。お子様の遊び場が必要な期間は、お子様がまだ幼いときだけであるため、遊び場のスペースをずっと確保しておかなければならないわけではありません。そのため、スキップフロアを設置して生まれたスペースを有効活用すると良いでしょう。
2つ目は、キッチン・ダイニングとして活用している事例です。
リビングとダイニングキッチンが隣り合わせになっている間取りに、スキップフロアを設置した事例です。リビングとダイニングキッチンが隣り合わせになっていることに加えて、大きな窓を採用することで、開放的な印象を与える空間となっています。
□まとめ
今回は、スキップフロアでありがちな後悔についてご紹介しました。
スキップフロアを設置するメリットとしては、収納面積を増やせることや、個性的な雰囲気を演出できることなどが挙げられます。一方で、スキップフロアを設置するデメリットやありがちな後悔としては、冷暖房の効率が下がること、プライバシーが保護されていないと感じる場合があることが挙げられます。対策としては、断熱性や気密性を上げること、個室を作ることを検討することが挙げられます。
宇都宮市・栃木市・小山市周辺でスキップフロア付きの家づくりをご検討中の方は是非お気軽にお問い合わせください。