家における吸気口と排気口は、快適な居住空間を維持するために不可欠な役割を果たしています。
吸気口は、外部から新鮮な空気を取り込み、室内の空気を入れ替え、湿気や有害な物質を排出することで、健康的で清潔な室内環境を保ちます。
一方、排気口は、台所や浴室などの湿気の多い場所から水蒸気や匂いを排出することで、カビや臭いの発生を防ぎます。
また、暖房や冷房の際、室内の温度調節にも貢献します。
換気システムには、吸気口や排気口の種類、構造によって特徴が異なります。
本稿では、そんな換気システムの種類、よく起こるトラブルとその対策についてご紹介します。
ぜひご覧ください。
□換気システムの種類について
換気システムとは、空気の入れ替えを行うためのシステムです。
空気を入れ替えるためには、空気の入口と出口、そして空気を動かすための力が必要です。
空気を入れることを吸気、出すことを排気と呼び、それぞれの出入口を吸気口、排気口と呼びます。
また、空気を動かすために送風機を使う場合、機械換気、送風機を使わない場合、自然換気と呼びます。
吸気、排気の仕方、構造によって換気システムに種類があります。
以下でそれぞれのシステムの特徴をご紹介します。
1.第一種
吸気、排気、共に機械で行う換気システムです。
ビルなどで使用され高品質なのが特徴です。
熱交換器の取り付けが可能です。
熱交換器があると、冬はあたたかい空気を逃さず、夏は外の熱い空気を入れないようにできます。
基本的にダクトが必要になり、ダクト設置、運用にコストがかかります。
換気量が多ければ多いほどメリットが大きくなります。
2.第二種
吸気を機械で、排気を自然で行う換気システムです。
病院や工場で設置されることが多く、壁内に結露ができる可能性が高いことがデメリットです。
3.第三種
吸気を自然、排気を機械で行う換気システムです。
住宅に採用される換気システムの中で最も一般的なシステムです。
デマンド換気の場合、省エネが可能です。
4.第四種
吸気、排気、共に自然で行われる換気システムです。
どちらも自然で行われる換気システムでランニングコストがかからないのが特徴です。
外と内の温度差で換気されるため、温度差の少ない時期は充分な換気ができない可能性があります。
また、換気システムが壊れないため、メンテナンスが不要です。
□それぞれのメリットとデメリットとは?
これまで紹介してきた4種に加え、換気方式にはさまざまなシステムがあります。
その中でも特に住宅に使われる換気システムをその特徴と共にご紹介します。
1.排気型換気システム
吸気が自然で排気が機械で行われているシステムです。
高性能住宅が多く建っている北海道で多く採用されています。
新鮮な空気がそのまま直接、室内に吸気されているので、換気過剰になって寒くなる可能性があります。
暖房や断熱性、気密性など、心地よい気温を保つ工夫を施すようにしましょう。
2.デマンドコントロール
換気量が一定でなく、必要な時、必要な量を自動で換気してくれるシステムです。
過剰に換気を行わないため、寒くなりすぎません。
また、電気代も最低限に抑えられます。
長期的に節約したい方におすすめです。
3.熱交換型換気システム
家の中の空気を循環させ、家全体を温めたり冷やしたりする全館冷暖房のシステムを導入する場合、吸気、排気共に機械で行うシステムが必要になります。
熱交換器を取り付ければ、吸気が持っている熱を排気に移せるため、部屋の中に熱を持った空気が入ってきません。
4.パッシブ換気
自然な空気の流れで換気するパッシブ換気は、吸気を床下で温め、あたたかい空気が上昇する力で部屋中の空気を換気させます。
上昇した空気は部屋の中のハウスダストや有害物質を集めて天井から排気させます。
5.ダクトレスタイプ
最低限の換気を行うのがダクトレスタイプです。
安価で工事できますが、ファンの能力が弱いため換気の安定性が低いです。
□吸気口と排気口を閉めないほうが良い理由とは?
最近の住宅は気密性が高くなっています。
気密性が高い家は、室内の空気を逃さないため、気温を快適にできる一方、空気の入れ替えが少なくなるため化学物質が室内に溜まりやすくなります。
また、ほこりや湿気がたまり、汚い空気が漂うため、健康に悪影響を及ぼします。
そのため、吸気口と排気口は閉めない方が良いでしょう。
特に料理中など換気扇を使う時は、吸気口、排気口を開放しておくようにしましょう。
開放しておくことで効率良く空気を循環できます。
また、換気扇を長時間使用する場合、換気システムが作動していないと部屋の気圧が下がってしまい、換気扇が故障する恐れがあります。
さらに、気圧の低下でドアが重くなるため、ドアの開閉で事故につながる可能性が高くなります。
□吸気口と排気口の掃除方法について
吸気口、排気口を通る空気は、ほこりや汚れなどを含んでいて、それらを通さないよう吸気口、排気口にはフィルターが設置されています。
そのため、時間が経つとフィルターがほこりや汚れでつまり換気がうまくいかなくなります。
そこで、以下で吸気口と排気口の掃除方法をご紹介します。
1.通気口の外側の掃除方法
まず、カバーとフィルターを外し、砂や土を古い歯ブラシなどを使用し落とし、水洗いを行います。
カバーとフィルターを取り外す際、ネジを使うタイプがあります。
洗った後は、乾燥させ、再度取り付けます。
カバーを外した通気口は、濡れた雑巾で拭くようにしてください。
水をそのままかけて掃除をしてしまうと、水が室内に浸入してしまう可能性があります。
外にあるものなので、落とせない汚れが付いていることが多いです。
ある程度汚れが落とせたら元通りに戻すようにしましょう。
2.通気口の室内側の掃除方法
フィルターが付いている場合はカバー、フィルターどちらも水洗いしましょう。
水洗い不可のフィルターもあるので、その場合、掃除機でほこりを取ります。
水でも掃除機でも汚れが落ちない場合、新しいフィルターと取り替えましょう。
通気口にフィルターがないものでも、自分でフィルターを取り付けてあげると今後の掃除が楽になります。
カバーを外した後、通気口を濡れた雑巾でふき取ります。
汚れが落ちにくい場合、中性洗剤を使用すると楽に汚れが落ちます。
3.通気口周辺
通気口周辺の黒い汚れはフィルターが詰まり、キャッチしてくれなかった砂や土がこびりついているものです。
黒い汚れを水ぶきしてしまうと汚れが広がってしまいます。
中性洗剤を浸み込ませたもので優しくふき取るようにしましょう。
□吸気口と排気口のよくあるトラブルとは?
1.冷気対策
換気システムが作動していると、部屋があたたまりにくいです。
寒い日は開閉できるものは閉じたり、テープなどでふさいだりして気温を調整しましょう。
空気を循環させるために定期的に換気することを忘れないようにしましょう。
2.防虫対策
フィルターがあれば虫が入り込んでくる心配はありません。
どうしても気になる方は防虫用のフィルターを使用しましょう。
3.防音対策
通気口からの音が気になる方は、吸音材を通気口に入れるようにしましょう。
試しに、ネット通販で防音カバーと検索してみてください。
□まとめ
換気システムの種類は、吸気、排気のやり方ごとに種類が異なります。
住宅で換気システムを採用する際は、吸気を自然で排気を機械で行う第三種が多いです。
最近の住宅は気密性が高いため、換気システムが正常に作動していないと室内の空気が汚れて、健康に悪影響を及ぼしてしまいます。
きちんと換気システムを作動させるには、外からも内からもフィルターを掃除するようにしましょう。
通気口からの虫、音が気になる方はフィルターにこだわってみましょう。
宇都宮市・栃木市・小山市周辺で換気システムの種類にお悩みの方は、ぜひ当社にお気軽にご相談ください。