薪を燃料とする暖房器具である薪ストーブをご存じでしょうか。
石油暖房が普及する以前によく利用されており、かつてストーブと言えば薪ストーブを指していました。
薪ストーブは、さまざまなメリットがある反面、煙が出てしまうというデメリットもあります。
そこで本記事では、薪ストーブについてのメリットと、煙が出てしまうというデメリットの対処法について紹介します。
また、煙の原因や着火の際の注意点についても紹介しているので、これをご覧になれば薪ストーブについて深く知れるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
□薪ストーブを導入するメリットとは?
薪ストーブを導入するメリットはさまざまあります。
以下に薪ストーブのメリットを紹介します。
1:暖房効果
薪ストーブはエアコンと違って輻射式の暖房器具で、遠赤外線によって暖かさを提供します。
そのため、部屋全体を暖めるわけではなく、遠赤外線によって人の体を直接暖めるのです。
部屋全体が暖まるのはゆっくりではあるものの、遠赤外線が当たる場所にいれば、じっくりと体の芯から暖めてくれます。
燃焼中の薪から発せられる熱は強力で、寒い季節でも快適な環境を維持できるでしょう。
2:インテリア性
薪ストーブは部屋のインテリアとしても、大きな役割を果たします。
その独特なデザインや素材は、部屋全体の雰囲気を引き立てるため、あるのとないのとでは部屋の雰囲気は大違いです。
また、薪のストックや燃焼中の炎の様子も視覚的な魅力を提供します。
3:炎のリラックス効果
薪ストーブの炎を見つめることは、リラックス効果をもたらすことが知られています。
炎には、1/F揺らぎ効果というものがあり、これがリラックス効果をもたらします。
1/F揺らぎとは、自然界にある不規則な揺らぎが調和している状態のことを指し、人の眼球の揺れ方や脳波などの生体リズムと同じような周波数をしています。
そのため、炎の1/F揺らぎを見ることで、心地よい雰囲気になり、ストレスの軽減やリラックス効果を促進するのです。
4:調理機能
一部の薪ストーブには、調理機能が備わっているものもあります。
ストーブの上部やサイドに調理用の平板やオーブンが付いている場合、炎を楽しみながら料理ができるのです。
これらのメリットを享受するためには、適切な薪の選択や燃焼効率の最適化、定期的なメンテナンス、安全対策の確保が必要です。
□薪ストーブで煙が出る原因とは?
薪ストーブはさまざまなメリットがある一方で、適切に扱わなければ煙が出てしまうというデメリットがあります。
その原因は、主に薪の不完全燃焼です。
そのため、不完全燃焼の原因と対策を知る必要があります。
薪ストーブで不完全燃焼が起きる原因は以下の通りです。
1:酸素供給の不足
燃焼には酸素が必要ですが、薪ストーブの燃焼室への酸素供給が不十分な場合、不完全燃焼が発生します。
酸素不足は煙の発生だけでなく、暖房効率の低下にもつながってしまうので注意しましょう。
2:薪の配置や積み方
薪の配置や積み方が適切でない場合、空気の流れが阻害され、燃焼が不完全になることがあります。
3:湿った薪の使用
湿った薪を使用すると、燃焼効率が低下し、不完全燃焼が生じます。
湿度の高い薪は燃焼に多くのエネルギーを必要とし、煙や不完全燃焼生成物の発生を引き起こします。
4:燃焼室や煙突の汚れ
薪ストーブの燃焼室や煙突が汚れていると、燃焼効率が低下し、不完全燃焼が生じる可能性があります。
5:燃料の品質
低品質な薪や処理されていない木材を使用すると、不完全燃焼が起こりやすくなります。
□薪ストーブで煙を出さないためにできることとは?
薪ストーブの煙が出ないようにするための方法は以下の通りです。
1:適切な酸素供給
燃焼室に適切な酸素供給を確保することが重要です。
薪ストーブの通気口やダンパーを調整して、燃焼に必要な酸素が確保されるようにしましょう。
2:適切な薪の積み方
薪を適切に積むことで、燃焼に必要な空気の流れを確保します。
薪を均等に配置し、通気を妨げないようにしましょう。
3:乾燥した薪の使用
湿った薪は燃焼効率が低下し、煙や不完全燃焼生成物の発生を引き起こします。
そのため、乾燥した薪を使用することで、燃焼効率が向上し、煙の発生を抑えられます。
4:燃焼室の清掃とメンテナンス
燃焼室を定期的に清掃し、汚れや詰まりを取り除くことで、煙の発生を防げます。
燃焼室の内部や排気管を清掃することで、効率的な燃焼が促進されます。
5:適切な煙突の設置とメンテナンス
煙突や排気管に詰まりや障害物がないことを確認しましょう。
また、適切な煙突の高さと直径、正しい設置角度が煙の排出に重要です。
煙突の定期的な清掃と点検も行いましょう。
これらの対策を適用することで、薪ストーブの煙の発生を最小限に抑え、効率的かつ環境に優しい燃焼を実現できます。
ただし、安全に使用するためには薪ストーブの取扱説明書に従い、適切な手順と注意事項を守ることも重要です。
□薪に火をつける際の注意点とは?
薪ストーブの薪に火をつける際の注意点は以下の通りです。
1:通気の確保
前述したとおり、通気性が悪いと不完全燃焼になりやすいだけでなく、点火しにくいというデメリットがあります。
そのため、薪を積む際には、薪同士の間にスペースを作り、空気の流れを促進するようにして点火しやすくしましょう。
2:乾燥した薪の使用
また、湿った薪は燃焼効率が低下し、煙や不完全燃焼を引き起こすだけでなく、点火のしにくさにもつながります。
乾燥した薪を使用して簡単に点火できるようにしましょう。
3:着火剤の使用
着火剤を使用して薪に火をつけると、点火が容易になります。
着火剤を使用する際には、製品の指示に従って安全に使用してください。
手軽な着火剤の1つに新聞紙がありますが、着火剤に新聞紙を使うことはおすすめしません。
なぜなら、新聞紙は燃えカスが飛散して部屋が汚れてしまう可能性があるからです。
また、煙突から燃えカスが飛散すると近隣にも迷惑がかかることになります。
また、灯油のような臭いが発生する着火剤もおすすめできません。
わざわざ快適な部屋にするために薪ストーブを導入しているのに、燃焼中に異臭が発生してしまっては快適な部屋が台無しです。
家具や衣服などにも臭いが移ってしまうので注意しましょう。
4:安全な点火場所
薪に火をつける際は、安全な場所で行う必要があります。
薪ストーブの近くに可燃物を置かないようにし、周囲の安全を確保しましょう。
5:点火後の注意
薪に火がついたら、薪ストーブの扉をしっかり閉めて火を管理しましょう。
点火直後だけでなく、燃焼中も薪ストーブの周囲に燃えやすい物を置かないようにし、安全に注意しながら使用してください。
これらの注意点を守ることで、薪ストーブの薪に火をつける際の安全性と効率的な燃焼を確保できます。
また、薪ストーブの取扱説明書に従い、適切な操作方法と安全対策を守ることも重要です。
□まとめ
薪ストーブのメリットはさまざまですが、大きく分けると、「暖房効果」「高いインテリア性」「リラックス効果」「調理機能」の4つです。
これらのメリットを同時に享受できるのは、暖房器具の中で薪ストーブだけでしょう。
しかし、快適な部屋作りには、煙が出ないように原因を知り、対策を実行することは非常に重要です。
快適な部屋作りのために、煙対策は怠らないようにしましょう。
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