これから家づくりをしようとお考えの方で、平屋を検討中の方もいらっしゃると思います。
中には現在車を持っている方や、これから車を購入予定の方だと駐車場も必要になると思います。1階部分しかない平屋の場合は、ビルドインガレージを採用する方が多いです。そこで今回は、平屋に人気のビルトインガレージについて、メリットデメリットや費用、注意点をご紹介します。
□平屋にビルトインガレージをつける際の間取りについて
前提として、平屋は1階部分のみで構成されており、ワンフロアにすべての間取りが集結しています。そのため、駐車場をつけるとなるとスペースをきちんと考えなければいけません。また、ビルトインガレージは家の中に入り込むような仕様の駐車場なので、なおさら間取りにも注意が必要です。
そこで、まずはビルトインガレージに必要なサイズを車種別に挙げていきます。
・軽自動車 長さ:3.6メートル 幅員2.0メートル
・普通乗用車 長さ:6.0メートル 幅員:2.5メートル
こちらの数値は、あくまでも一般的に必要とされているものなので、車種によってはもっと大きいサイズのガレージが必要になることもあります。そのため、現在持っている車、購入予定の車のサイズをある程度加味したサイズに設定しておきましょう。そして肝心の平屋に必要な間取りですが、30坪と40坪のケースをご紹介します。
1. 30坪の場合
30坪の平屋の場合、車一台分のガレージと2~3LDKの間取りがおすすめです。2~3人で暮らす場合だと、かなり余裕をもった生活ができますが、子どもが多かったり、大家族だと狭いかもしれません。
2. 40坪の場合
もし車を2台持っていて、2台分のビルトインガレージが必要な場合は、40坪で平屋を建てるのがおすすめです。2台分のガレージスペースの場合、10坪程度が必要になり、残りの30坪をほかの間取りに充てられます。そのため、人数で言うと3~4人家族向けの広さです。
□ビルトインガレージのメリットデメリットとは?
車を停める駐車場は、ビルトインガレージ以外にも普通の駐車場を借りて利用したり、家の横に別途で作ることも可能です。平屋にビルトインガレージを導入するメリットとデメリットを挙げていきます。
*メリット
1. 盗難防止に繋がる
ビルトインガレージは、家の中に繋がるガレージなのでほかの駐車場に比べて盗難防止につながります。またシャッターを取り付ければ、より安全性、防犯性が上がります。愛車を守るためにも、ビルトインガレージはおすすめだと言えます。
2. 車のお手入れがしやすい
車は時間が経つとどうしても汚れてくるので、洗車が必要になってきます。もちろん業者に依頼するのも良いですが、愛車を自分で洗車したい方もいらっしゃると思います。しかし賃貸の駐車場や周囲に民家や建物がある場合は、自身で行うのは億劫になる可能性もあります。ビルトインガレージだと、それを気にせず洗車を行えるのでおすすめです。また、お手入れ用の道具をガレージ内においておくことも可能です。
*デメリット
1. 騒音が気になることがある
ビルトインガレージの特性上、家の中に様々な音が響いてしまいます。エンジン音やシャッターの開閉音が気になって安眠を妨げる要因になってしまうこともあります。そのため、ビルトインガレージの近くには寝室やリビングは設置しない方が望ましいです。また、遮音シャッターもあるので、騒音を少しでも軽減したい方におすすめです。
2. においが気になることがある
車から出る排気ガスやにおいが家中に充満してしまう可能性もあります。ビルトインガレージは家中に入り込んでいる仕様なので、ある程度においがしてしまうのは仕方ないですが、どうしても気になってしまうと思います。そこで換気扇を設置して空気循環を良くしたり、気密性が高いドアを選ぶことで対策できます。
□ビルトインガレージを設計する上でのポイントについて
このようにメリットもデメリットも含めて、様々な特徴を持ったビルトインガレージですが、何も考えずに導入してしまうのは危険です。ガレージの使いやすさだけでなく、平屋に住む上で悪い影響を及ぼさないようにするために、設計する上でのポイントをご紹介します。
*1. ガレージのスペースを取ってから平屋の間取りを考える
車を所有している、または購入予定の方は、ビルトインガレージのスペースを先に決めてしまいましょう。なぜかというと、上記で紹介したデメリットを考慮した配置にする必要があるのと、ガレージはほぼ1部屋分必要なので先に部屋の間取りを決めてしまうと、ガレージスペースのスペースがないという事態になってしまう可能性があるからです。
*2. 車の振動や音が伝わらないような間取り設計にする
室内にガレージが入っている以上、振動や音が伝わるのは避けられません。先ほど紹介したように、ドアやシャッターを工夫することはできますが完全に遮断するのは難しいでしょう。そのため、間取り自体を工夫することが大切です。寝室や子ども部屋はガレージから離した場所にするなど、家族の人数や生活様式に合わせた間取りを考えましょう。
*3. 動線を考慮する
ビルトインガレージは、ガレージ内から家に入れるメリットも兼ね備えています。例えば車で買い物から帰った場面でも、荷物を持ってわざわざ玄関まで回る必要はありません。そのため、ガレージ内から家中に入る動線を意識しましょう。室内に入り込むまでの経路、ドアの大きさや開けやすさ、入ってから荷物を置く場所までの経路も考慮すると非常に便利です。
□ビルトインガレージの費用について
ここで平屋にビルトインガレージを導入する際の費用についてもご紹介しようと思います。
この費用はビルトインガレージの目的によっても変わります。
・駐車のみが目的の場合
・駐車以外が目的の場合
まずは前者の駐車のみが目的のビルトインガレージの費用相場は、200~400万円ほどです。
ただこの金額は、車1台分のみの相場なので、2台分以上のスペースを作る場合はもっとかかります。後者の駐車以外の目的というのは、複数台の駐車に加えて、作業できるスペースを確保することなどが挙げられます。費用相場は1000万円以上になってしまい、かなり高額になってしまいます。しかし、税金面で見るとメリットになるのです。
結論から言うと、固定資産税の減税に繋がります。平屋にはもちろん固定資産税というものがかかります。しかし、ビルトインガレージにおける駐車スペースの床面積が「5分の1以下」の場合、平屋全体の床面積から、ガレージの床面積を引いた分の固定資産税のみが必要になります。結果的に固定資産税を抑えることが可能になるのです。
□ビルトインガレージの注意点について
*1. あとからリフォームできない
ビルトインガレージは高額になる傾向があるので、あとからリフォームでつけようとする方も多いですが、かなり難しいです。そもそも家の構造に関わるので、リフォームが不可能だったり、できたとしても費用面で新築時以上の金額がかかったりします。
少しでもビルトインガレージをお考えの場合、新築の際につけておくことをおすすめします。現時点で予算的に厳しい場合は、あとからつけれるようにスペースを空けておき、あとからガレージを設置するという方法もあります。
*2. シャッターは慎重に選ぶ
費用面だけでシャッターを選ぶのは危険です。数年で錆が発生したり老朽化が進んでしまうことが多いです。もちろん予算的を抑えるために、安いシャッターを使ったり、見た目が好みで選んだりすることも良いですが、同時に「耐久性」にも着目しましょう。素材で言うと、「アルミ製」「ステンレス製」がおすすめです。
□まとめ
平屋にビルトインガレージを導入する際のメリットデメリットや設計ポイント、費用や注意点をご紹介しました。考慮することも多く、時間もかかるので、ビルトインガレージについて考えてから導入するかどうかを決めることをおすすめします。